2012年8月23日木曜日

8月20日練習

  夏らしい暑さが続いています。

御自身の体調管理、皆様は気を付けていらっしゃいますか?

これだけ暑いと何もしなくても汗が流れ落ちていきます。

20日の練習はそんな残暑の中でもさらに熱い心を持つ人たちが練習に集い行なわれました。

内容は各自ウォーミングアップから始まり、投げ込み練習の組と タックルを反復練習する組とに分かれてスタート。

投げ込みの組で私は練習していたのですが「あるひとつの組み手」からの投げをお互いに研究

練習しました。

その数、計5種類。 パートナーをして下さった岡選手はどれも貪欲に そして真摯に稽古されていました。

「ひとつの組み手」からの技が複数、別方向に仕掛けられれば 相手は怖いでしょうね。

それが組み合わさればさらにバリエーションと効果は倍増します。

ちなみにあとで数えてみたら「あるひとつの組み手からの技」、単独で12種類はあるようです。

皆さんの研究や創造でさらに増えていくでしょう。 

次いで寝技の反復練習。

相手の背後をコントロールした状態から、腕、脚を狙った関節技術の練習。

様々なバリエーションを繰り返し確認しながら体得を目指します。

サンボの特徴に「寝技、関節技の多彩さ」があるのは皆さんご存じの事と思います。

そこに魅力を感じ、サンボに取り組まれている方も多いのではないでしょうか。

世界中で 本や雑誌や動画は今「お祭り状態」ですからそこでも様々な技術が紹介されていますね。

どれも体得出来たら素晴らしいです。

しかし実際スパーリングや試合で渾身の力で耐える相手に関節技を極めるのは容易ではありません。

しかも投げて 「から」 極めるのは何故かとってもシンドイ。

(投げ終わった刹那は相手がもっとも無防備な状態です。そこを逃さず関節を極めるまでの動きを間断なく遂行できれば逆にそれは体力面では最も「経済的」と言えるでしょう。)

有酸素運動であばれた後、突然のように寝技のような無酸素運動に切り替わるのですからね。

しかも相手は必死に耐えるから自分も力が入る。

踏ん張る人間を投げるのだって一苦労だったのに今度は 引っ込めた亀の手足をこじ開けるのです。「時間内に」。

心臓が苦しい事 請け合いです。

「参った!」を見事取れればそこでおしまい。晴れて勝利ですが、もたもたしていると審判が容赦なく笛を吹きます。

「はい、立って~」と。

投げでの一本(「チースタ」。国際的にはこう呼びます。)を決めない限りこのような流れがその後何度か続くことも多いでしょう。

投げの一本といってもサンボはその基準が厳しいですから、例えば4点でジャッジされたらまだ試合は終わらないのです。

こういった試合で体力を根こそぎ奪われてしまうケース、皆さんは経験あるでしょうか。

それでもなんとかその試合をモノにしたとしてもこれがトーナメントだったら次があるかもしれないのです。

本来次の試合の相手に勝つ実力を持ち合わせていても前の試合で体力を消費しすぎてしまったら、残念な結果を突き付けられることだって充分有り得ます。

そんな臍を噛む、悔しい思いはしたくありませんね。

負けない為、いくつ試合が組まれていても勝つ為、何点差を付けられても最後は勝つ為、試合会場が酷暑でも勝つ為。。。 

相手が「参った」をすれば勝負は誰の目に委ねる事無くそこで決まりです。

その技は4点か?2点か?という判断も不要です。

また皆さんで研究、練習して参りましょう。

岡選手、本川選手 鈴木康裕選手 鈴木岳男選手、上原さん、松嶋会長、森田さん

大変お疲れ様でした。




今回は 下記文章を紹介させて頂き締めさせて頂きます。偉大な功績を残された方の書籍の言葉です。

【連続技について】

「技が単独であると、「一本」に極まれば良いが、「四ポイント」「二ポイント」「一ポイント」の場合、ま 

た苦労する。 そこで、ある技に必ず関節をプラスして行く連続を持っていると大変楽です。

私の研究した投げは、殆どの場合年令的な条件(40才を超え)肉体的限界の故か、連続して関節技に結び付けています。

若い頃とちがってスタミナ、エネルギーが不足気味なので、判定とか、力比べとかが出来ないからです。

しかし、私は、技術の応用を覚えれば、わりと高年齢にもサンボは出来るものだと思っています。

・・・中略・・・

とにかく、どの投げからも、どの動きからも手の届く範囲に関節部分があれば、すべて1本に結びつく。次の動き、次の動きを頭に、身体に覚えさせること。そこに勝利が待っているのです。」

【関節技について】

「私の場合、連続技はすべて関節に向かっています。

 或る技の終点は、どこかの関節だと思っています。

 それがどこか?・・・・。その場その場で変わって来ます。「終点が関節」ということだけがはっきり

していれば、相手を投げた時でも必らず関節技まで連続するものです。」


                          (昭和52年発行 「サンボ入門」より。古賀正一著)