2012年9月4日火曜日

8月27日練習

 今回の練習はこれまでと同様「マット敷き」のウォーミングアップ後(:D)、組に分かれて投げ込み

や立ち技の研究から始まりました。

個性的な技術を垣間見れたりして他の選手の練習を見るのも興味深いものです。

投げ込み練習の際 、投げ手側がよく受け手に「〇〇でいきま~す」と事前に技を告げたりします。

お互いの安全を考えた配慮だったり、受け手の不安を解消する為でもあるのだと思います。

私も受けをやっているとその方が安心します。

でもこれが海外での練習となるとその「事前のお知らせ」が無かったりします。

というより殆どありません。何が来るのか判らないまま受けは投げられます。

瞬時に体が反応して受身を取らなければなりません。

そして投げ手側もあくまで練習ですのでしっかりと互いの安全を考慮して投げなければいけません。

「どこを掴んで、どのように投げれば相手は自然に受身が取れるか」

「投げは相手を制する事、相手の攻撃力を奪う事が目的である事」

(投げる事、その衝撃でダメージを与えるのが目的ではないと言う事)

「所謂 引き手の意味や、投げられる人間は咄嗟に地面に手を着こうとする事とその危険性」

などを理解して怪我の無いよう行なうべきでしょう。

サンボの特殊性のみを強調するあまり、奇をてらった技ばかりに腐心し、個々の練習段階を見誤っ

た稽古は怪我の元ですし上達を妨げます。

まずは安全性を最優先に考える。そして人が投げられる理屈、原理を練習初期の段階で徹底して

体と頭に叩き込む事が大切と痛切に感じます。

その「投げの理屈、原理」を体得するには受身の練習を日々怠らず稽古する事が大切です。

受身には投げのエッセンスが集約されているからです。

受身をまずはしっかり体得する事がその後のサンボの技術習得度に大きく関わる事は他言を待ち

ません。とても美味しいお料理もお皿に乗っているものです。フランス料理だろうと 和食だろうと、

ロシア料理だろうと「器」に乗って出てきます。

受身はその「器」とも言えるでしょう。しっかり作られた 美しい(理に叶った)、そして大きな器はどん

な料理でも乗ります。これから様々なサンボ技術を覚えてゆく過程でその技術(料理)が乗る器(受

身)をしっかり覚えましょう。 

基礎中の基礎、受身を解析し、学ぶことでサンボをプレイする際の立ち方や、投げのコツなどが掴め

るようになります。 基礎工事のしっかりした建物は高くそびえ立ちます。

天高く伸びる木は根も深いものです。

たかが受身、通過点の一つと捉えず、少なくとも現役中は技術練習同様、大切な稽古として取り

組んでもらいたいと思うものです。

さて、今日(27日)はサンボの入門者が来館してくれました。

初心者、入門者大歓迎です。 サンボをプレイするにあたって最小限の基本や受身などは共にしっ

かり稽古して参ります。 途中で断念する事無く是非最後までやり遂げて欲しいと考えています。

また、ここ川口サンボは所謂 私塾や道場では無く誰もが自由にサンボを練習、研究出来る場とし

て始まりました。 特定の誰かが 個人のサンボを「これのみがサンボ」として指導する場ではありま

せん。 逆に言えば川口サンボは「個人のサンボの集合の場」です。 己が考えるサンボを構築す

るにあたり「如何に対応するか」をこれからは常に自身で考え、思考停止にならず稽古に取り組み

続けてほしいと考えています。

様々な選手達と稽古、練習する中で、「如何に対応するか」を問い続け 答えを模索してゆく作業の

連続が上達への道であったり、魅力 面白さでもあると考えています。

少なくとも私はそれがサンボの理念だと考えています。

参加者の皆さん まだまだ暑い中大変お疲れ様でした。

また皆で練習してまいりましょう。